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小作青史 OZAKU Seishi
花と落下するもの Flowers and Falling Things

最初に目につくのはモミジの種子のような形態に描かれた人の顔であろう。そしてその右上には何かが成長分化しながら落下しているかのような物体である。背景は黄土色に塗りこめられ何も手がかかりがなく地面が津波が押し寄せてくるような、しかし色彩からはそうとも言えない不確かな物体が描かれている。左手にあるのは木の幹のようにも見えるが、想像の範囲を超えた色彩や形が生じている。ここで唯一正常に見えるのは手前の花だけであるが、それがかえって非現実的な空間を昂揚させている。この不可思議さはシュルレアリスムの範疇に括るにはズレがあるように思える何かが備わっている。
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