



花や果物、魚や器(うつわ)などが対象に描かれる静物画。西洋では16世紀の末頃には絵画の重要なジャンルのひとつとなりました。静物画は、風景画とは異なり画家が自分で描く対象を用意し、構成するところに大きな魅力があります。
今回はサイトウミュージアムのコレクションより、近現代の日本の画家を中心に様々な静物画をご紹介します。彼らの多くが静物画を描くにあたって、もっとも意識したのはフランスの画家ポール・セザンヌ(1839‐1906)です。セザンヌはすべてのものの構造を単純なかたちに還元してとらえ絵画の可能性を広げた画家ですが、同時にリンゴや布などの配置や構成に躍動感を与えました。セザンヌ以降の画家たちの多くは、そうしたセザンヌの試みを追体験しながら新たな展開を探っていきました。
まるで画面の中に本物があるかのような迫真的な表現から、香りや味覚などをも感じさせるほどに特徴をとらえたもの、さらには自己を静物に投影したものなど、画家のねらいは多岐にわたっています。秋から冬にかけてのこの時期、味わっていただきたい作品たちがここにあります。
■入館料:大人500円(400円) 高校・大学生300円(200円) 中学生100円 小学生以下無料
※( )内は20名以上の団体料金。※65歳以上の方は100円引、障害者手帳等をお持ちの方は200円引となります。
■会期中のイベント(いずれも参加無料ですが、入館に際してチケットが必要です)
◎学藝員によるミュージアム・トーク
2023年11月5日 (日)、
2024年1月6日 (土)
いずれも午後2時から約30分
◎学藝員による絵画のお話スライド・トーク
展示室にて絵画のよもやま話に花を咲かせます。
2023年12月3日 (日) ⑤おいしい静物
2024年2月3日 (土) ⑥危なっかしい静物
いずれも午後2時から約40分、事前申し込み不要。
「嵐山、そして水のある風景」
2024年3月1日(金)―7月15日(日・祝)