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熱情の画家 ​村上肥出夫展

2023年7月28日〔金〕- 2023年10月29日〔日〕

 本展は、銀座の路上で制作しながら自らの作品を販売していたところを彫刻家・本郷新の目に留まり、兜屋画廊社長・西川武郎の全面的な援助を得て瞬く間に時代の寵児となった画家・村上肥出夫の没後5年を記念して開催されました。1960年代初頭の、援助を受け始めて集中的に制作に励んだ時期の初期作品から、銀座松坂屋展での大規模な個展ののちにパリをはじめとする海外で取材した作品、さらには1979年突如として出身地である岐阜県にアトリエを設けて東京を去って以降の作品などを展示し、画業の変遷をサイトウミュージアムのコレクションで辿りました。後半の展示では《秋葉原》《夜空(ニューヨーク)》といった村上肥出夫の代表作も追加出品することができました。
 同時開催としまして、村上肥出夫と同時代に活動していた小山田二郎、難波田史男や尾藤豊、古沢岩美らの作品を展示し、社会や場などに潜む魔性や不条理などがどのように絵画化されてきたのかを探りました。
 今回は東海圏である岐阜県出身の画家を取り上げたことから、岐阜県、愛知県からの来館者の比率が従来展よりも高く、初めて村上作品を見た方はその迫力に感銘を受けるなど、画家再評価の機運へ寄与できたのではないかと思われます。

□同時開催
幻想世界への招待

■会期中のイベント
◎学藝員によるミュージアム・トーク
7月30日(日)、9月23日(土・祝)
いずれも午後2時から約30分

◎学藝員による絵画のお話スライド・トーク
8月27日(日)  ①第3回 ゴッホ礼賛 佐伯祐三と村上肥出夫
10月14日(土) ②第4回 風景画の魅力
いずれも午後2時から約40分

◎座談会 10月22日(日)14:00-15:00
2F展示室にて、村上肥出夫の才能を認め世に送り出した関係者をゲストに招き、当館館長との対談を行いました。
兜屋画廊・小澤禮子氏✕サイトウミュージアム館長・齋藤洋一
司会進行:田中善明(サイトウミュージアム学藝員)

■関連記事等
1.新聞
・「油絵の具や粘土重ね独特な世界 松阪・サイトウミュージアム『熱情の画家 村上肥出夫展』」中日新聞(松阪紀勢版) 8月5日
・「絵の具の凹凸、感じて 村上肥出夫企画展 三重・松阪のサイトウミュージアム」夕刊三重 8月4日
・(中日新聞)7月25日 田中善明「村上肥出夫『太陽』(まちなかで絵と遊ぶ51)」
・(中日新聞)8月1日 田中善明「村上肥出夫『ニコライ堂を望む』(まちなかで絵と遊ぶ52)」
・(中日新聞)8月8日 田中善明「村上肥出夫『銀座裏』(まちなかで絵と遊ぶ53)」
・(中日新聞)8月15日 田中善明「村上肥出夫『セーヌ』(まちなかで絵と遊ぶ54)」
・(中日新聞)8月22日 田中善明「小山田二郎『アパートの子供』(まちなかで絵と遊ぶ55)」
・(中日新聞)8月29日 田中善明「難波田史男『海の祭典』(まちなかで絵と遊ぶ56)」
・(中日新聞)9月5日 田中善明「大沢昌助『砂上と風物』(まちなかで絵と遊ぶ57)」
・(中日新聞)9月12日 田中善明「海老原喜之助『蝶』(まちなかで絵と遊ぶ58)」
・(中日新聞)10月3日 田中善明「村上肥出夫『秋葉原』(まちなかで絵と遊ぶ59)」
・(中日新聞)10月17日 田中善明「村上肥出夫『夜空(ニューヨーク)』(まちなかで絵と遊ぶ60)」
・(中日新聞)10月24日 田中善明「村上肥出夫『テーブルの上の人形』(まちなかで絵と遊ぶ61)」
・(中日新聞)10月31日 田中善明「村上肥出夫『パリの少女』(まちなかで絵と遊ぶ62)」
・(夕刊三重)8月5日 田中善明「美術館のコレクション①(学芸員による絵画のはなし26)」
・(夕刊三重)9月2日 田中善明「美術館のコレクション②(学芸員による絵画のはなし27)」
・(夕刊三重)10月7日 田中善明「ヘタウマの魅力(学芸員による絵画のはなし28)」

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